寿命

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あれから、義父は殆どの時間、寝ているようになりました。

食事も、朝少しのパンと果物を食べる程度で、昼食は食べたがらず、

夕飯もこちらで促して、やっと少しだけ口にする程度になりました。

血圧はかなり高い時が多かったり、脈拍がかなり少なかったりで、

先日も、予定していた二週間ごとの訪問入浴にも

入ることが出来ませんでした。

声を出しにくいようで、蚊の鳴くような声しか発しないので、

なるべく近くにいるようにしています。

 

時々、隣のベッドがどうの・・・とか

私はプールに泳ぎに行かないのか?とか、意味のわからないことを言います。

 

訪問介護士さんや看護師さんが見えても、声を発することなく

ただ頷くだけなので、部屋は静まり返っています。

いよいよあちらの世界に行く時が 迫ってきているのでしょうか?

 

もし本当に人の寿命は決まっているとしたら・・・と思った時に、

高校生の時に、友人を突然亡くしたことを思い出しました。

朝礼で校長先生が

「人はみなそれぞれ長さの違う蝋燭のような寿命があるのです。

そして彼は、その蝋燭が燃え尽きたのです。」

とおっしゃったのでした。

 

気のせいなのかもしれませんが、訪問介護士さんも看護師さんも

介護が終わるとさらっとお帰りになります。

もし逝くなら、主人がいるときに逝ってほしい・・・

(なんて勝手なことかもしれませんが)そう思うので

尚更、ひとりは不安になります。

だから、ついこちらの方から、「最近寝てばかりなんです。」とか

「食欲がないんです。」とか介護士さんたちに少しお話するのですが、

あまりコメントなさいません。

何だか不毛な会話になってしまう自分が、少し情けなくなりますが、

そんなものなのかもしれません。

 

 

最近、友人に教えてもらった本『問題は解決するな』著 Kan.

を義父のとなりで読んでいました。

そもそも、人間が解決できることなんてないのかもしれません。

それより、パンが発酵するのを待つように、ただ見ているだけ。

そして日々起きてくることを出会っていく。

 

本当にそうだと、新たな視点を頂きました。

 

 

これから、最期の段階に入ったような気がします。

日一日と、その貴重な瞬間と出会っていく。

刻一刻と私の人生も、より彩やかに描けそうです。

 

義父が旅立っても、義父に教えてもらったことも

義父との絆も、何ひとつ消えないのを感じます。

 

投稿者プロフィール

MOTHERS NET
*個性豊かな4人の子どもと夫との、ステップファミリーです。

離婚、子連れ再婚やいじめ問題、不登校、両親の死などの
経験のそのすべては、本当の自分に還るための、より豊かに幸せに生きるための贈り物であったことに、あとから気づかされ、

これからは、「本当の自分」を大切にし、魂がワクワク喜ぶ人生にシフトチェンジして、

絵本や絵やポストカードなどを創作しています。

それは、心の扉を開いたとき、

「本当の自分」を大切に守ることができる「宝石箱」。

それが、この地球に生まれてきてくれた子どもたちが、贈ってくれている
なによりものメッセージではないかと思うからです。

日々の、その一瞬の色や光を ゆっくり味わい感じ入ること。
そんな自分を大切に信じること。
出会った家族や友人、恩師、知人とともに創造する人生を尊重し合うこと。
をモットーにブログを綴っています。


*自分の原点ともいえる、親との関係を振り返ったとき、弱い自分を認めて受け容れたとき、ました。

*このブログでは、子育てやパートナーシップや仕事に挫折した私が、
自分の人生を振り返り、本当の自分に還って、私の感性を取り戻し、私が最も大切にしたいことや夢や生きたかった人生を創造していくさまをそのまま綴っています。

*色や光で自分を解放しながら、自分自身と向き合い、私が好きな世界観を表現し、森羅万象の一部として、静かに命を味わい尽くしたいと思っています。












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