
先日、次女がスタッフを務める公演に出かけた。
今、ブレイク中の役者さんの公演で、私自身もファンなのもあったし、
何より、最近の次女の様子が見たかった。
夕方、久しぶりに夫と駅で待ち合わせした。
遊園地に向かうゴンドラは、かなり高く高く登っていき、
桜の舞う中、街は夕焼けに染まっていく。
小さい頃、亡父によく連れて行ってもらったらしいが、
何ひとつ記憶にない。
次女。
彼女は夫の連れ子で、私にとっては養女。
私達夫婦は、それぞれ子どもがいたもの同士が再婚をしているから
お互いに養女がいる。
いわゆる、私は「ままはは」
シンデレラや白雪姫に出てくる、あの人物(怖)
叱ってしまった後の自己嫌悪。
長女がケンカで次女に負けた後の複雑な気持ち。
簡単に言ってしまえば、
お腹を痛めた子どもと同じように愛せない罪悪感。
再婚後、二人の子どもを授かったので
四人の母になったが、
関係がぎくしゃくしてしまうのを怖れ、
結局タイミングが掴めないまま、
次女が二十歳になるまで、
真実を伝えないでいてしまった。
彼女のパスポート申請で戸籍を取り寄せた時に
初めて真実を打ち明けたのだった。
二十歳になって、初めてその定めを知り、
複雑な想いはたくさんあったのだと思う。
でも、それまでとなんら変わらない生活が過ぎていった。
下二人の子ども達も、それから数年後に、
「うちは一般的な家庭と違う」という事実を知り、
上の二人の姉妹がいなければ、
自分たちの存在自体なかったことなど
内心複雑な想いでいたのだと思う。
でも、それまでと、やはりなんら変わらない生活が過ぎていった。
その後、いくつかの恋愛をし、
いくつかの挫折を味わっていた彼女の姿を
私は、それなりの距離で見守っていただけ。
中学生の頃、彼女のいじめ体験を助けてくれたのが、
本と「演劇」という世界だった。
それからずっと、「好き」を極めたくて、
演劇の仕事をし続けてきた彼女も、もうすぐ三十路。
私は、きっと、いえ、
やはり、未だに
彼女の実母と同じようには、なれなかったのかもしれないけれど、
なろうとしていたことこそが、
おこがましいことだったのだと、
今、しみじみ思う。
それこそ、人智の及ばないところに
足を踏み入れるようなものだ。
実の娘を遺して
死んで行かなくてはならなかった、
彼女の実母の気持ちを考えたら
それは全く計り知れないものなのだから・・・。
なんて、ぼんやり考えていたら、公演がはじまった。
階段を掛けながら、
スタッフの仕事をバリバリやっていた彼女と
ちらっと目があった時、
何だか涙が溢れた。
・・・私を親にしてくれてありがとう!
他の兄弟もみな、
あなたを尊敬し、あなたを応援しているよ!・・・
四人の子ども達は、みなそれぞれ
思春期・反抗期を通り越し、
それぞれのポジションで
お互いに影響を受けあいながら、
それぞれの速さで成長している。
でも、「天然」と叱られながら、
からかわれながら、
呆れられながら、
一番、成長させてもらっているのは、
私の方なのだと、しみじみ思う。
たっくさんの葛藤を繰り返してきて
それなりに辛かったけれど、
でも、それがあったからこそ、
今、
これでよかった
と、言えるように思う。
投稿者プロフィール

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*個性豊かな4人の子どもと夫との、ステップファミリーです。
離婚、子連れ再婚やいじめ問題、不登校、両親の死などの
経験のそのすべては、本当の自分に還るための、より豊かに幸せに生きるための贈り物であったことに、あとから気づかされ、
これからは、「本当の自分」を大切にし、魂がワクワク喜ぶ人生にシフトチェンジして、
絵本や絵やポストカードなどを創作しています。
それは、心の扉を開いたとき、
「本当の自分」を大切に守ることができる「宝石箱」。
それが、この地球に生まれてきてくれた子どもたちが、贈ってくれている
なによりものメッセージではないかと思うからです。
日々の、その一瞬の色や光を ゆっくり味わい感じ入ること。
そんな自分を大切に信じること。
出会った家族や友人、恩師、知人とともに創造する人生を尊重し合うこと。
をモットーにブログを綴っています。
*自分の原点ともいえる、親との関係を振り返ったとき、弱い自分を認めて受け容れたとき、ました。
*このブログでは、子育てやパートナーシップや仕事に挫折した私が、
自分の人生を振り返り、本当の自分に還って、私の感性を取り戻し、私が最も大切にしたいことや夢や生きたかった人生を創造していくさまをそのまま綴っています。
*色や光で自分を解放しながら、自分自身と向き合い、私が好きな世界観を表現し、森羅万象の一部として、静かに命を味わい尽くしたいと思っています。
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