大人のそんな人間模様を少し斜めに観ながらも、
いつも木々や花と 空想している時が安心できて、幸せだった。
中学時代はそんな父にどことなく似ていて
笑顔がとにかく優しい男性に惹かれていった。
【結婚】
大学時代に付き合っていた彼が、商店街の小さな魚屋さんだった。
母に
「うちは100円200円のものを売ってる家とは違う。」
と結婚を真っ向から反対された。
確かに彼の家は、高い貴金属を売っているのとは違うけれど、
だからと言ってなんだというの?!
安い魚だとしても、それこそが、商売の基本ではないか?!
そして、何より、
家庭が円満の方がどれほども幸せではないか?!
というように、完全に「お金は醜いもの」「お金は人生を悪くする根源」となった。
彼の家が円満かどうかなんて、その頃は全く解っていなかったのに・・・。
そして23歳という若さも手伝って、
「何がなんでも結婚してやる!」
と生まれて初めて親に逆らい、結婚した。
そして数年後には、
もともと修行を重ねていた彼の夢であった、寿司店を出した。
その寿司屋は近くの飲み屋などのお客様相手の夜中も営業している店にし、
乳飲み子(長女)を背負って働くようになった。
仕込みの手伝い。おしぼりの洗濯。
育児とおむつの洗濯。
すべての指がアカギレだらけになり、
酢飯が染み込んで、とても痛い。
初めての店の経営。
そして何より、初めての子育て。
店を朝閉めた後に、目覚めた娘と公園通い。
3時間睡眠という日々が数年続き、とても厳しい毎日だった。
ある夜。
二階でひとりで眠る娘を見に行った時、
ベビーベッドにいたはずの娘がいない。
探してみると、ハイハイして私を探したらしく、
台所のテーブルの下に見つけて抱きしめた時、
母の帰りを待っていた頃の自分が急に蘇り、号泣した。
(・・・でもまだその頃は、
子どもを心配する母親の気持ちを察するまでには至らなかった・・・)
夫は、疲れたと言って、店を開けなくなり、
私が開けるようになった。
瞬く間に、二人の関係は悪くなり、
その結婚生活に終止符を打った。
「頼られるから、なんとかしてあげなくちゃいけないと思い、
頼られ過ぎちゃうから、もう本当に疲れちゃうんだよ!」
と、初めて母の前で弱音を吐くと、
「女なんて、そんなもんだよ」と言われた。
その時、少し母と女として、やっと同等になれた気がした。
【バブル期とシングルマザーの時】
娘と二人で小さなアパートを借り、母子家庭生活が始まった。
(当時は、母子家庭に住宅を貸してくれる時代ではなく、
7件回って、やっと見つかった。)
仕事を探しつつ、保育園も探さないとならない。
保育園を探すためには、仕事が見つかっていないとならないし、
仕事を見つけるためには、保育園が見つからないとならない。
にわとりが先か卵が先か・・・
世の中は、バブルになる直前で、
たまたま昔お世話になっていた先輩から紹介してもらった
外国人向け賃貸住宅を斡旋する不動産会社で務めることに決まり、
2つの保育園を渡って、娘の預け先もようやく決まった。
仕事はとても楽しく、
営業事務や社長秘書、
そして土地の有効活用のための部署を立ち上げる広告関係の仕事・・・
保育園へのお迎えの時間までしか働けないことが悔しいくらい、
時間がいくらあっても足りない。
沢山のことを勉強し、沢山のことを吸収していった。
でも、またその一方では世の中の富裕層の多さに驚き、
自分の小さなアパート暮らしとのギャップを感じるようにもなっていった。
そしてまた、数年後には、いつまでもこんなバブルの時代は続かないことを感じ
シングルマザーとしての焦りを感じるようになっていった。
投稿者プロフィール

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*個性豊かな4人の子どもと夫との、ステップファミリーです。
離婚、子連れ再婚やいじめ問題、不登校、両親の死などの
経験のそのすべては、本当の自分に還るための、より豊かに幸せに生きるための贈り物であったことに、あとから気づかされ、
これからは、「本当の自分」を大切にし、魂がワクワク喜ぶ人生にシフトチェンジして、
絵本や絵やポストカードなどを創作しています。
それは、心の扉を開いたとき、
「本当の自分」を大切に守ることができる「宝石箱」。
それが、この地球に生まれてきてくれた子どもたちが、贈ってくれている
なによりものメッセージではないかと思うからです。
日々の、その一瞬の色や光を ゆっくり味わい感じ入ること。
そんな自分を大切に信じること。
出会った家族や友人、恩師、知人とともに創造する人生を尊重し合うこと。
をモットーにブログを綴っています。
*自分の原点ともいえる、親との関係を振り返ったとき、弱い自分を認めて受け容れたとき、ました。
*このブログでは、子育てやパートナーシップや仕事に挫折した私が、
自分の人生を振り返り、本当の自分に還って、私の感性を取り戻し、私が最も大切にしたいことや夢や生きたかった人生を創造していくさまをそのまま綴っています。
*色や光で自分を解放しながら、自分自身と向き合い、私が好きな世界観を表現し、森羅万象の一部として、静かに命を味わい尽くしたいと思っています。
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